そもそも歯周病とは何なのか。何が怖いのか。どうすれば予防できるのか


こんにちは。でるたんです。前回は、私がこのブログを始めた理由をお伝えしました。

これから歯周病予防に取り組もうと思っていますが、その前に、そもそも歯周病とは何なのか?ということを確認しておきたいと思います。

敵のことを分かっていないのでは、予防も何もありませんからね。

私自身も良く知らなかったので、今回調べてみました。

歯周病とは何なのか?

歯周病は感染症

歯周病とは「歯の周囲で歯を支えている歯周組織が炎症によって侵されて破壊されていく病気」です。

簡単に言うと、「歯ぐきや、歯を支えている骨が破壊されていく病気」ということになります。

歯周病のことを、昔は「歯槽膿漏」と言っていました。そういえば、昔はテレビCMとかでも「シソーノーロー」って言ってましたね。

そして、歯周組織が破壊される原因は、歯周病菌(細菌)です。つまり、歯周病とは感染症です。

原因はプラーク

前項で、歯周病は歯周病菌が原因だとお伝えしましたが、「歯周病菌」という細菌がいるわけではなく、「ポルフィロモナス ジンジバリス」、「カンピロバクター レクタス」、「ストレプトコッカス サングイニス」などの30種類ほどの細菌の総称となっています。

さらに詳しく言うと、歯周病菌がプラークというものに変化します。このプラークが、歯周病の直接の原因になります。

プラークは、歯に付着している白色または黄白色のネバネバした物体です。もともと、口の中には何百種類もの細菌が存在しているのですが、それらが集団になってバリアを張った状態がプラークなのです。

プラークは、歯垢とも言います。ただ、「垢」という言葉に騙されないで下さい。プラークは食べカスではありません。プラークは、その7~8割が細菌で、残りがグルカンなどのネバネバ物質です。プラーク1ミリグラムの中に、1億個以上の細菌が存在しているそうです。

プラークが怖いのは、バリアとしてはたらくネバネバ物質です。

人間の体はよくできていて、口の中に存在する細菌が歯についたとしても、普通は唾液で洗い流されてしまいます。さらに免疫細胞などでも守られています。

しかし、プラークは、ネバネバ物質に覆われているので唾液で洗い流すことはできません。しかも、ネバネバ物質のバリアにより、免疫細胞が攻撃を加えることもできないのです。

こうして、バリアに守られたプラークの中に存在する歯周病菌が、歯ぐきや、歯を支えている骨を破壊していくことになるのです。

プラークの温床となる歯石

前項でプラークの恐ろしさを説明しましたが、実は続きがあります。

歯についたプラークは、2日ほどで唾液に含まれるカルシウムなどと結びついて硬くなり始めます。そして2週間ほどで歯石に変わります。

つまり歯石は、プラークが石灰化したもので、死んだ細菌の塊(化石)です。

歯石そのものが悪さをすることはありません。しかし、歯石の表面には細かな凸凹があり、細菌のすみかとして最適なのです。

そして歯石の厄介なところは、その硬さゆえ歯磨きでは取り除けず、除去するには歯医者さんに行かねばならないことです。

また、変な言い方ですが、「プラークや歯石はそれだけでは痛みがない」というのも問題です。すぐに何らかの症状が出るわけではないので、プラークや歯石が放置されることにつながり、歯周病が大きく進行してからようやく治療を始める、と言うことが多いのです。

歯周病の進み方


歯周病は、最初は歯肉炎、そして次に歯周炎に進行します。

歯と歯肉(歯ぐき)の境目あたりに付着しているプラークの影響で、歯肉に炎症が起きるのが歯肉炎です。

歯肉炎は、炎症が歯肉(歯ぐき)だけに限定されている状態です。

歯肉炎を放置していると、歯と歯肉の間に隙間ができて、歯周ポケットになってしまいます。

歯周ポケットができると、今まで歯ぐきに隠れていた歯が露出します。その部分にまたプラークがついて炎症を起こします。そして、より深い部分まで歯周ポケットが拡大していきます。

ここまで歯周病が進行し炎症が激しくなると、歯を支えている骨の「破壊と再生のバランス」が崩れてしまいます。結果として、骨の破壊の勢いが強くなり、消えていきます。

このように、歯を支えている骨まで破壊されていく状態が歯周炎です。

歯周炎を放置していると、歯を支えている骨がなくなり、最終的には歯が抜けてしまうことになります。

歯周病の何が怖いのか?

歯を失う理由の第1位

まずは、歯を失うことです。歯を失う理由の第1位は「歯周病」です。虫歯は2位だそうです。

糖尿病を悪化させる

歯周病で歯を失うのは怖いけど、結局、口の中だけのことでしょ、とあなたは思われるかもしれませんね。

でも、そうじゃないんです!

歯周病によって、糖尿病を悪化させてしまうのです。歯周病による炎症を抑えるために、免疫細胞からサイトカインが作られるのですが、これがインスリンの働きを邪魔してしまうためです。

逆に、糖尿病になることで、歯周病が悪化することも分かっています。糖尿病による血流障害で、歯肉の細胞が弱ったり、唾液の分泌が減って洗浄作用が落ちたりするためです。

歯周病菌が全身に影響を及ぼす

それだけではありません。他にも、歯周病菌によって以下のような悪影響が考えられます。

心筋梗塞や脳卒中

歯周病になると、歯周病菌が歯周ポケットから血液の中に入り込み、全身に広まります。歯周病菌が血管の壁に感染すると、動脈硬化を起こします。それが、心筋梗塞脳卒中などを引き起こすリスクを高めてしまうのです。

誤えん性肺炎と感染性心内膜炎

誤えん性肺炎は、食物や唾液が飲み込まれる時に、誤って食道ではなく気道に入り、肺で細菌が増殖することで起きる肺炎です。歯周病になると、唾液にも歯周病菌が多く含まれるようになるため、これが肺炎を発症させます。

感染性心内膜炎は、心臓の内側を覆っている膜「心内膜」や心臓の拍動に合わせて開閉している「心臓弁膜」に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。この場合も、血液内の歯周病菌が、心臓に到達して感染した場合に発症するわけです。

その他のコワイ影響

他に、歯周病と関係しているものは、骨そしょう症、関節リウマチ、腎臓病があります。

後は、妊婦さんにも影響があります。妊娠中に、母親が中等度以上の歯周病にかかっている場合、早産や低体重児出産の危険性が高まるという報告があります。

歯周病はどうすれば予防できるのか?


歯周病は、歯周病菌によって起こるものですから、細菌の塊であるプラーク、そしてプラークの温床となってしまう歯石を完全に除去できれば完治します。

しかし、それは簡単ではありません。

プラークはともかく、歯石は歯磨きでは取れません。歯医者さんで除去してもらう必要があります。

歯周病を予防するには、プラークを取り除いていく取り組み(プラークコントロール)を継続的に続ける必要があります。

実際のところ、歯周病予防には、私たち自身と、歯医者さんの二人三脚が必要になるわけです。

以上、歯周病に関するあらましでした。

プラークが目に見えにくいことが問題のひとつ

これから、歯周病予防のため、プラークコントロールをしていきたいと思いますが、そもそも、プラークが目に見えない、と言うか見えにくいことが問題です(プラークは歯と同じような色をしている)。

歯磨きをしても、プラークが落ちたかどうかわかりませんからね。

でも、このプラークを見えるようにする方法があるようなのです。
次回は、プラークの可視化について取り組みたいと思います。

ビバ! ノー歯周病ライフ!!

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